製造者 柳田酒造合名会社
宮崎県都城市早鈴町14街区4号
品目 本格焼酎
原材料名 麦、麦麹(いずれも九州産)
内容量 200ml
アルコール分 20度
(以上、ラベルより転記)
今日は、柳田酒造さん(宮崎県都城市)の、
“夏の赤鹿毛”(なつのあかかげ)をいただきます。
“夏の赤鹿毛”は、麦焼酎。
しかも宮崎産の焼酎にありがちな20度モノ。
この“夏の赤鹿毛”は、
とある御仁から頂戴したものなのです。
2025年夏の徘徊記事を公開し、更新を休んだ8/23(土)。
この日は朝から、台東区内を徘徊しておりました。
午前中は谷中を徘徊し、
夕焼けだんだんは南側にも建物が出来つつあり、ただの階段になっちまった!
無粋の極み!、嘆かわしい!。嗚呼、かつての眺望は何処へ!
午後になってから、
たまに利用させていただいている酒屋さんへ。
角打ちがあって、普段飲めないようなよいお酒をちょい飲みできるお店なのです。
女将さんおススメの八海山スパークリングをいただいて、気をよくした酔っぱらい。
カウンター壁側の棚に置いてあったこの“夏の赤鹿毛”の瓶を発見!
他に客がいなかったので、
●都城の街を徘徊したものの、柳田酒造さんの焼酎は見つからなかったこと
●柳田酒造さんは特約店にしか卸さないと、道の駅都城で聞いたこと
●特約店の前を通ったものの、日曜日でお休みだったこと
を、女将さんに対して話したのでした。
(きっと大迷惑だったろうな。)
このお店の女将さん、酒に関する知識がものすごい!
こちらが何を問いかけても、それをすぐに理解し、ビシッと返答なさる。
”餅は餅屋”・“打てば響く”と言いますが、まさにそのとおり。
それ故、とても面白い酒談義をさせていただけるのです。
こんなオッサンの話にも耳を傾けてくださった女将さん。
それどころか、この“夏の赤鹿毛”を手に取って、
「あげます!」って私におっしゃったじゃあ~りませんか!
(はやく黙らせたかったんだろうな。)
それはいただけないと一度は引いたものの、
それでも下さるとおっしゃるので、
「実は私、今日、誕生日なんです。」
と告白し、ありがたく頂戴させていただいたのでした。
どうやらこれ、サンプル品なのだそうです。
まさかねぇ。
友達も連れ合いもいない、齢50を過ぎたオッサンの下へ、
はからずも誕生日にプレゼントがいただけるとは、夢にも思いませんでしたわ。
誕生日になんてなんの感動もなくなったワタクシでしたが、久しぶりによい日になりましたとさ。
いかん、いかん、いかん!
浮かれるな!
気を引き締めよ!
世間様には当たり前のことも、オマエにはそうではないのだ!
浮かれて心に隙ができると、必ず足元をすくわれるのだよ。
いつ、誰が、どこから攻撃してくるか気が知れない!
人間なんて誰も信用できないと、これまでに何度も繰り返し、かつ散々なほどまでに思い知らされて来たではないか!
ザハリッヒな関係に留めることこそ、保身のために必要不可欠なのだ。
閑話休題。
2010年に発行された焼酎専門の雑誌では、
柳田酒造さんについて以下のように紹介されておりました。
「宮崎県南部の都城では最も古い焼酎蔵。明治35(1902)年創業以来、いも焼酎を造っていたが、4代目(現・代表者)の英断により、昭和56(1981)年から、いも焼酎の製造をやめて麦焼酎専業蔵となり、現在に至る。代表銘柄は「駒」。5代目となる柳田正が蔵に戻り、「赤鹿毛」「青鹿毛」という意欲的な麦焼酎を生み出している。」(※1)
現在では再び芋焼酎を製造するようになったそうですが、そのお話は別の機会へ。
これらのことから、柳田酒造さんは古い蔵元であるものの、
“赤鹿毛(あかかげ)”は、比較的新しい銘柄であることがわかります。
5代目の柳田正さんは、「2002年。家業に就く。」(※2)とあり、赤鹿毛は「平成一六(二〇〇四)年発売の麦焼酎。」(※3)なのだとか。
その赤鹿毛、いったいどんな焼酎なのでしょうか。
そのことについて、文献には以下の記述がございました。
「機械いじりが大好きなので、まず、蔵の中の機械、とくに蒸留機をいじりました。いろいろな蒸留法を試しているうちに、常圧、減圧の双方の酒質の特徴、長所と短所がわかりました。あるとき蒸留をいろいろと試していたら、瞬間、どちらの短所もない酒質が生まれました。あ、これだ、これが私の酒だと思いました。それが中圧蒸留、すなわち常圧でも減圧でもない蒸留法です。その蒸留法で造ったのが「赤鹿毛」です。」(※1)
「減圧の焼酎はフルーティーで軽いが、刺激臭がある。常圧は香ばしいが、嫌な臭いがある。「中圧にすると、両者のいいところだけが出ました」。柳田さん初の麦焼酎「赤鹿毛」は、甘焦げ感があり軽快で口当たりの良さが特徴。柳田酒造の名が一躍知られるようになった。」(※4)
なお、常圧蒸留と減圧蒸留とのちがいについては、かつてこちらで触れております。
そんな赤鹿毛ですが、
今日いただくのは通常版の赤鹿毛ではなく、
"夏の赤鹿毛”。
この“夏の赤鹿毛”については、以下の記述がありました。
「柳田酒造、渡辺酒造場、小玉醸造の3社で話し合って、4年前に作り始めた夏焼酎シリーズ。」(※5)
「麦焼酎。「平成宮崎酵母」を使用。高温耐性があるため重くならず、甘く香ばしい香りが生まれる。「麦の香ばしさと、ずしんと沈み込むような味わい。新酒なのでフレッシュ感もあります。」(柳田正さん)。夏の豪快な焼酎だ。」(※5)
ここで、“平成宮崎酵母”なる言葉が登場いたしました。
本文にもあるとおり、この酵母は高温耐性があるとのこと。
酵母が高温耐性を有することの利点については、他県における高温耐性酵母育成に関する論文に以下のような記述がございました。
「発酵温度を低下させると初期発酵速度の低下や冷却コストの上昇を招くことから,より高温で高濃度アルコールの発酵もろみが製造可能となる高温耐性を有する酵母の取得について検討を行った.」(※6)
そこで宮崎県でも高温耐性酵母の育成を研究し、平成22年に“平成宮崎酵母”として実用化したのだそうです。
「 新規焼酎酵母MF062は,272株の酵母について発酵性,増殖性,資化性,酸耐性,高温耐性,遣伝子解析など様々な試験を繰り返し,その中からアルコール生産性が高く,味,香りに優れた酵母を選抜した。他の実用化されている焼酎酵母と比べて高い温度領域で発酵性や増殖性に優れ,また,甘味がある,丸味がある,原料特性を引き出すなどの特徴を持つことが分かった。そこで「新しい焼酎酵母」の名称を,県内38焼酎メーカーから募集し,応募のあった60点の中から,全国の消費者にアビールするのに最もふさわしい名称として平成22年1月22日「平成宮崎酵母」と命名した。」(※7)
さて、
ここまでの引用から、風味を表現する言葉がいくつか出てまいりましたよ。
Ⅰ:甘焦げ感があり軽快で口当たりの良さが特徴
Ⅱ:重くならず、甘く香ばしい香り
Ⅲ:麦の香ばしさと、ずしんと沈み込むような味わい
Ⅳ:新酒なのでフレッシュ感もあり
このように風味を表現されている“夏の赤鹿毛”、
本当にそういう風味なのでしょうか?
それを確かめるべく、いただいてみましょう。
まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
盃に注ぐと、麦の香ばしい香りがふわりと立ちました。
含むと、麦の香ばしさが穏やかに広がります。
それとともに、爽やかな風味もあって、こちらはアルコール香と共に感じます。
さらに、常圧蒸留のような重さをちょっとだけ感じますが、それほど強くはありません。
一方で、甘みはほとんど感じません。
また20度だからか、ちょいスーのちょいピリ程度でした。
これはロックでしょうよ!
これも香りが立つ。
麦の香ばしさに深みを感じ、常圧蒸留のような重さも少しハッキリしてまいりました。
それに甘みを少し感じるようになりましたよ。
それでいて爽やかさは残っております。
スーピリは消えました。
ロックでありがちな苦みは、かなり弱めです。
最後は、女将さんおすすめの飲み方で。
冷蔵庫で冷やした赤鹿毛を、ソーダ割り。
重さが先にどっしりと来て、麦の香ばしさが続きます。
爽やかさとともに、炭酸がいい感じに爽快感をもたらしてくれています。
甘みは引いて、きりっと引き締まりました。
風味豊かなのに、爽やかさも兼ね備えた、おいしい麦焼酎でした。
麦の風味と重さとが絶妙で、しつこくない程度にしっかりしておりました。
それなのに爽やかさもあり、かつさっぱりした口当たりでした。
ⅠⅡⅢⅣの記述にあった風味は、甘み以外はすべて備わっておりましたよ。
これ、かなりうまいね!
それもまちがいなく、ソーダ割りがよい!
どっしりしているのに爽快で、かつ甘くなくてきりっとした風味。
あまりのおいしさに、あっちゅう間でございました。
柳田酒造さんの焼酎は、この夏の赤鹿毛の他にも手元にございます。
それらをいただくのはちょっと先になりそうですけれど、今から楽しみでしかたがありません!
その夏の赤鹿毛と合わせた今日のエサはこちら。
売れ残って安売りされていたオクラ。
九州の麦味噌を使って、
味噌和え。
酢は入れておりません。
麦味噌の香ばしさ、甘み、深みがいい感じ。
おいしいわ。
KALDIのさば缶。
最初にさば缶だけを炒めて、香ばしさをつけて、
野菜を投入し、
卵でとじて、
かに玉ならぬ、さば玉。
さばの香ばしさと酢の酸味、それに卵のうまみが相俟って、おいしくいただけました。
ごちそうさまでした。
(※1)金羊社発行『焼酎楽園 Vol.34』p.18(2010.6 星雲社)
(※2)『焼酎一個人 vol.1 今、最高においしい焼酎(BEST MOOK SERIES 47)』p.13(阿部文枝『新焼酎王国・宮崎の若き造り手たちの想い 明日の宮崎焼酎を背負う!気鋭の次世代蔵へ』p.12-17中 2017.7 KKベストセラーズ)
(※3)(※1)p.20
(※4)(※2)p.13
(※5)(※2)p.18(『「夏の焼酎」が、涼しさを呼ぶ!』p.18)
(※6)江口良寿『アルコールの高効率生産微生物の育種に関する研究-高温耐性酵母の取得について-』p.1(平成21年度 佐賀県工業技術センター研究報告書 p.1-4)
(※7)山本英樹•水谷政美•森村茂•山田和史•祝園秀樹•越智洋•高山清子•工藤哲三1•太田広人•木田建次『焼酎用「平成宮崎酵母 (MF062)」の開発と実用化』p.149(日本醸造協会誌 113巻3号 p.142-150 2018.3)
この記事へのコメント
ma2ma2
芋ばかりです。
夏炉冬扇
てんてん
ロコときどきキナコ
随分前の思い出になちゃった風景を思い出して喜んでます。
女将さんとの出逢いも☆
お酒との出逢い、イイねえ~♡
HOTCOOL
赤鹿毛飲んでみたいです。
hana2025
思いがけずの…の夏の赤鹿毛!素敵な思い出となった、お誕生日プレゼント!なんか運命的なものを感じました。夏の赤鹿毛もだけど、趣味のあう鯔背な女将さん、想像するだけでも良い女!ヒューヒュー‼!
次の来店へのきっかけともなった、夏の赤鹿毛による夏の日の出会いです。
日暮里の夕焼け段々坂、かつての姿はどこへ!?
ぼん
caveruna
今日からぼちぼち重い腰を上げようと思っております。
なかせ
タンタン
kontenten
私も一編だけ会った事がありました(=^ェ^=)
その夕焼けだんだんの角打ちのママさん?女将?に
それは類は友を呼ぶ?何か同じ匂いがしたのですね(゚ω゚)
それにしても『あかかげ』・・・参上しそうですねf^_^;
ヨッシーパパ
さる1号
ソーダ割がそんなにも合うんだ
飲んでみたいなー^^
skekhtehuacso
skekhtehuacso
skekhtehuacso
ふと立ち寄って見つけたお店なれば、スマートに飲んで、いやな客だと思われないようにしなければならないと自戒いたしております。
skekhtehuacso
skekhtehuacso
オイラには手がとどかない、すごい人だぜ。
これからも嫌われないようにおとなしく飲むことにいたします。
skekhtehuacso
skekhtehuacso
skekhtehuacso
たしかに仕込み水で加水していればまろやかになって、それを冷やしていただけばおいしいかも。
願わくは、少量瓶での商品設定をお願いいたしたいところでございます。
skekhtehuacso
霊園のほうへ行けばいるのかも。
skekhtehuacso
skekhtehuacso