製造者 新里酒造株式会社
本社 沖縄県沖縄市古謝3-22-8
工場 沖縄県うるま市州崎12-17
琉球泡盛
原材料・米こうじ(タイ産米)
内容量・300ml
アルコール分・12度
(以上、ラベルより転記)
弘化三(1846年)年創業。
現存する泡盛の蔵元では最古という、新里(しんざと)酒造さん。
そのことについて、文献には以下の記述がありました。
「琉球王朝時代の首里三箇の赤田の地で1846年に創業。現存する酒造所でもっとも古い酒造所である。現在は本島中部の沖縄市で操業。沖縄市には泡盛酒造所がなかったことから、市より招き入れられた。」(※1)
“首里三箇”とありますが、これは、琉球王府によって泡盛製造を特別に許可されていた蔵元があった場所なのだとか。
「 御用酒の製造にはある特定の人たちに行わせていたと考えられるが、いつの頃からか首里の三箇(さんか)が本場となっていた。十八~十九世紀には泡盛造りは沖縄本島の首里三箇に限られることになる。三箇とは赤田、崎山、鳥堀の三つのムラのことで、その他の地域では泡盛造りは禁止された。つまり、首里王府は泡盛をその統制下に置き管理しようとしたのである。」(※2)
琉球王府が沖縄を支配していた時代には、泡盛は一部の限られた特権階級の人たちだけが飲めるものでした。
一方で庶民は、芋焼酎(芋酒:イムゲー)を飲んでいたのだそうです。
新里酒造さんは、琉球王府から泡盛製造を許可されていた蔵元に由来する、由緒正しき蔵元さんなのでした。
もう一点、
新里酒造さんは、“泡なし酵母”を開発した蔵元さんなのだとか。
「 6代目にあたる現社長新里修一氏はしかし、伝統を継承する一方で研究開発にも力を注いでいる。その成果の一つが泡無し酵母「泡盛101号」の開発だ。煩雑な泡の管理を必要とする泡盛1号酵母の中に60億分の1の割合で存在する泡無し酵母を分離することに成功。これにより、作業量が軽減して仕込み量が増え、また蒸留までの時間が短縮できるために雑菌汚染のリスクが減り、アルコールの取得量が増えるという成功がもたらされた。1989年の開発成功以来、多くの酒造所がその恩恵にあずかり、今では殆どの泡盛がこの酵母を利用して造られているという。」(※3)
泡無し酵母は清酒の製造でも広く用いられており、それは簸上清酒合名会社さんが昭和37(1962)年に発見したことはかつて触れております。
その記事では、泡なし酵母の利点は以下の如しと結論付けました。
(1):泡番(あふれてくる泡を消す作業)をする必要がない
(2):同じ容積のタンクで、仕込量を増量することができる
(3):ネバネバしていないので、仕込み終了後のタンクの洗浄が容易になる
同じことは、泡盛製造においても当てはまるのでしょう。
そんな由緒正しき伝統を大事にしつつも、技術革新を進めた新里酒造さん。
どうやら販売ルートについても積極的に開拓しているようです。
今日いただくこの“酒人 BIG CUP”も、その販売ルート開拓の一成果と推察いたします。
この商品は、
沖縄ファミリーマートとの共同開発商品なのだとか。
品質表示はこちら。
12度ということは、いわゆる“前割り”ってやつですね。
前割りだからでしょうか?
“軽酔(さぁふぅふぅ)泡盛”なんだってさ。
話のネタが尽きたところで、いただきます。
前割りですから、冷蔵庫で冷やしたものをこのままいただきます。
上立ち香はなし。
含むと、米の風味がしっかりしていることがわかります。
黒麹の香ばしさは苦みを伴い、強くはないがハッキリしています。
甘みは弱めではあるものの、じんわりと感じます。
でも後味はさっぱりしていて、キレがよくスッキリ。
それに重さやクセは全く感じません。
風味しっかり、後味スッキリのおいしい前割り泡盛でした。
米の風味しっかりに、黒麹の香ばしさや苦みを感じ、泡盛らしい味わいでした。
それなのに後味スッキリで、しかもクセや重さがまったくなく、飲みやすさを感じました。
しかも300ml詰で、飲み切った後の満足感もバッチリ!
うまいね!
こんなにおいしい前割り泡盛をコンビニでお手軽に入手できちゃうだなんて、沖縄の人たちがうらやましいことこの上ない。
その“酒人BIGCUP”と合わせた今日のエサはこちら。
ちくわと白菜。
共に冷蔵庫の残り物。
梅ごのみ(桃屋)を使って、
梅和え。
梅ごのみを、みりん+酒を煮切ったもので伸ばしてから使ったことで、すっぱさがまろやかになり、かつうまみが増したようでした。
ねぎとしめじ。
これも昨日入手したもの。
にんにくとバターとで炒める魂胆。
明日も休日ですから、にんにくを使っても問題なしでしょう。
味付けは塩とこしょう。
酒も使いました。
炒めた後は卵でとじて、
ねぎとしめじのにんにくバター炒め卵とじ。
肉を使っていないせいか、ねぎとしめじのおいしさをはっきりと感じました。
それににんにくとバターとで、味に深みを出すことができました。
ごちそうさまでした。
(※1)沖縄県酒造組合連合会監修『決定版 泡盛大全』p.56(2000.12 株式会社主婦の友社)
(※2)萩尾俊章『泡盛の文化史〈新装改訂版〉』p.85(2016.1 有限会社ボーダーインク)
(※3)田崎聡『泡盛王国』p.38(2006.8 発行/有限会社食の王国社 発売/丸善(株)出版事業部)
訳あって今日は、
先にあの世へ行った大親友と、しばらくの間向き合いました。
この記事へのコメント
ma2ma2
てんてん
HOTCOOL
タンタン
川鮎くん
ロコときどきキナコ
バックの本パラパラと読んでみたくなる☆
ヨッシーパパ
skekhtehuacso
てんてん様
川鮎くん様
どうも!
skekhtehuacso
沖縄フェアとかやってくれれば、出会えるかも。
skekhtehuacso
それに前割りの商品はたしかにどれも口当たりがまろやかでありました。
skekhtehuacso
それまで友達なんて一人もいなかったのに。
でも書物は裏切りませんけれど。
skekhtehuacso
newton