製造者 川鶴酒造株式会社
香川県観音寺市本大町836番地
品目 日本酒
内容量 300ml
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合 58%
アルコール分 14度
(以上、ラベルより転記)
川鶴酒造さんのお酒やらリキュールやらは、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】2333.川鶴 福招く はっぴぃかっぷ
【お酒】2334.川鶴 開運 はっぴぃかっぷ
【お酒】2244.川鶴 極びえ冷酒 300ml
【お酒】2245.川鶴 極びえ冷酒 本醸造 300ml
川鶴 炙りいりこ酒 カップ(リキュール)
【お酒】2248.川鶴 銭形カップ
今日いただくこのお酒、
ラベルには、オリーブの木が描かれておりました。
ブロッコリーではありませんよ!
え?
オリーブの木って?
どうしてわかるのかって?

それはこのお酒が、
“さぬきオリーブ酵母仕込み”だから。
“さぬきオリーブ酵母”について、文献には以下の記述がございました。
今日はそれほど長くはないので、ご一読いただければ幸甚です。
「 清酒の消費量が漸減を続ける中,他県メーカーでは従来商品と差別化した新製品開発が盛んに行われている.特に,地域に生育する花等から酵母を分離しても清酒醸造を行う試みが多数報告されており,本県でも香川県らしい特徴を持つ清酒の開発が急務となっている.香川県の県花・県木であるオリーブは,約100年前に本県小豆島で初めて栽培が成功したことが知られている.このオリーブから酵母を分離して清酒を醸造することにより,香川県の特徴を前面に押し出した消費者イメージの良い新製品の開発が可能となる.そこで,本研究ではオリーブの実から醸造用酵母(Saccharomyces Cerevisiae)の分離を試みたので報告する.」(※1)
上記の記述にもあるとおり、通常、植物から酵母を採取する際は、その花や果肉から採取することが一般的です。
なぜならば、酵母の主食は糖だから。
そしてその糖があるのは、蜜を持つ花や、果肉だからでしょう。
しかし、この“さぬきオリーブ酵母”は、「多数のオリーブ果実の表面を綿棒でふき取り集積培養し(※1)」て採取したのだとか。
このことについて、同じ文献に以下の記述がございました。
「 一般的に蜜のある花や糖質の多い果実から酵母を探索する場合には,花や果実を直接培地に投入して集積培養する.しかし,オリーブの果実には酵母の栄養源となる糖質がほとんど含まれていない.」(※2)
また、後の実験で、オリーブの花から採取した酵母についても酒造特性を調べたそうです。
しかし、花から採取した酵母はアルコール生産能力が低く、腐造のおそれもあることから醸造用酵母としては向かないことがわかったそうです。
その後、オリーブの果実の表面から採取した酵母を培養し、アルコール生産能力が高いものを選抜育成して醸造試験をして、その中で最も優れた酵母(OY-4-2)が「清酒の味,香りのバランスが取れていた」(※3)とのこと。
そしてその「OY-04-2(ママ)株がもっともすぐれていたことから、同株を「KO-18株」と命名し香川県内の酒造メーカー4社に提供し,令和元年酒造年度(2019年7月1日~2020年6月30日;ブログ筆者追記)の清酒醸造から利用することとなった.」(※4)のだとか。
さぬきオリーブ酵母の素性がわかったところで、さぬきオリーブ酵母を使用して造られたこの川鶴をいただいてみたいと思います。
吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、少し着いていることがわかりました。
上立ち香はなし。
含むと、フレッシュな風味を感じます。
最初に酸味が来るね!
すっぱさが強めで鋭さを感じます。
かすかにスーですが、ピリはなし。
うまみはやや濃いめ。
米のうまみに厚みを少し感じ、どっしりとしています。
酒臭さ(ほめ言葉)も少しあるみたいです。
熟成感はなく、苦みや雑味は感じません。
キレはそれほどでもなく、残ります。
甘みはややひかえめかな。
存在はわかるものの、酸味に負けています。
爽快やや濃醇ですっぱ旨やや辛口のお酒でした。
吟醸酒にしてこの酸味は、かなり強めでしょう。
というか川鶴の普通酒では酸味はほとんど感じなかったのに、このお酒は突出しておりました。
ですがその酸味がフレッシュな風味と相俟って爽やかではありました。
キレはそれほどでもなかったようですが、これは純米だからでしょうか?
あたかも白ワインのような味わいのお酒。
それ故に、油を使った魚料理や、卵、チーズなどに合うのではないでしょうか。
普段の食事でいただくのは、ちょっと・・・。
そんなすっぱい川鶴純米吟醸さぬきオリーブ酵母仕込みと合わせた今日のエサはこちら。
うどんを食べたかったので、
秋田のしょっつるを使って、
しょっつる焼うどん。
焼うどんは、まちがいなくしょっつる味がいい!
卵4個。
昨今の安い卵は、どれも小さい!
出汁巻き卵(ねぎ入り)。
顆粒だしではなくて、出汁をちゃんととることが肝要!
風味豊かにいただくことができました。
ごちそうさまでした。
(※1)大西茂彦『香川県産オリーブからの醸造用酵母の探索』p.63(研究報告 第17号 p.63-64 2017.6 香川県産業技術センター)
(※2)(※1)p.64
(※3)大内茂彦・藤井浩子・立住千賀香『香川県産オリーブからの醸造用酵母の探索(第ニ報)』p.66(研究報告 第20号 p.65-67 2020.7 香川県産業技術センター)
(※4)(※3)p.67
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skekhtehuacso